第四十六回重要刀剣　刀　無銘 実阿
NBTHK Juyo　Katana [Jitsua]

特徴：実阿は西蓮国吉の子で、大左の父と伝える刀工である。現存する作刀の年紀には元弘三年・健武二年等があってその活躍期はほぼ明らかであるが、在銘の作例は比較的少ない。子の大左が地刃共に明るく冴えた相州伝の作風を大成したのに対し、実阿の作品は板目が大きく肌立って流れ、時には綾杉ごころの肌合いを呈し、刃紋は匂口がうるみごころの直刃など、良西ー入西ー西蓮の系譜に連なる九州古典派の作域を墨守した感の強いものである。また入西・西蓮などに比して、実阿には、幅広のものがあり、地鉄が大模様に肌立って流れ、一派の中で最も荒ぶる傾向にある。